カーネーション あらすじ 『まどわせないで』 第132回(3月9日放送)

オハラ洋装店に吉岡と譲が現れるが糸子は“おはじき”を2人に投げつける。
「こら!うちのウチの敷居またぐな言うたやろ!」

― その後、結局、店に通した2人にお茶を運んできた里香に糸子が注意した。
「あ、要らん。この子らすぐ帰るよって…全部うちが飲むさかい」
その糸子の態度に戸惑いながら、吉岡栄之助は封筒から書類を出した。
『オハライトコ・プロジェクト企画書』と紙には書かれてあった。

「本日は糸子先生に改めてお願いにあがりました…実はこないだのスワトーの生地を使ってスーツをデザインしていただけないかと…要は先生のお名前のプレタポルタをやらせて頂きたい吉岡栄之助は自分が生地を持って営業をして回ると提案した。
「ウチお客さんは着物のお客さんですから、どれだけ売れるか正直わかりません。
けど目の肥えた年配の女性が多いのは確かですからあながち的外れではないと思うんです。
それに先生の人気は絶大ですから絶対、売れる気がするんです!」

糸子はしばらくの間じっと目をつぶって考えると
「里香!兄ちゃんらにお茶だしちゃって」と里香に命じた。
糸子の反応に栄之助と譲は喜ぶ。
「まだや!まだ喜びな!…ちょっと時間くれるか?考えさしてもらうよって」
「はい!!どうぞよろしくお願いいたします」2人は頭を下げた。
「ややこしい話もってきなや…ウチは金輪際、既製服はやらへんねや」
栄之助と譲の2人は互いの顔を見た。
>ほんでもあのアホぼんが絞った知恵を無駄にする訳にはいかんわな…

「こんにちわ!」先日、店に相談しに訪れた清川が母親を連れて店にやってきた。
「いや~来てくれたんかいな!」糸子は清川の母親を歓迎した。
「娘らが行け行け言うて…根負けや。…久しぶりやな小原さん」
車椅子に乗った清川の母親が糸子に挨拶をした。

― 糸子は鏡に集中しながら清川の母親に生地をあて質問する。
「これやな?な!どない?」
「…どれでもええよ」清川の母親がやるきのない返事をする。
「娘さんらがこんなけ綺麗なお母ちゃんを見たがってんや!
お母ちゃんは綺麗な服着て笑てんのが仕事や!」
「…エライ仕事やな(笑)」
「そらそうや、仕事さかい!お互い頑張ろうよ!」糸子がハッパをかけた。

糸子は宣言通りに目測で採寸を行うと清川親子に良い服が完成する事を約束する。
「まかしとき。絶対ええのんできんで!」
清川親子は糸子に感謝しながら店を後にした。
「…先生、やっぱしオーダーメードってええもんですね」
糸子と一緒に親子を見送りながら孝枝が言った。
「嫌な事、思い出してしもた…」
糸子は孝枝の言葉で表情を曇らせた。

― 里香が歩いていると後から自転車に乗った神山正志が声をかけてきた。
「荷物、載せよ」
正志は里香の持っていた買い物袋を乗せるように言うと里香は黙って従った。
「…クリスマスイブ、自分どっか行くんけ?」
「いかないよ」
「東京とか帰らへんけ?」
「帰えんない」
「ほなケーキ食いに行かへんけ?行こよ!おごっちゃら!」
その時、正志と里香が会話している姿を遠くから見る女子高生がいた。

― 夜、閉店後、糸子は一人やきもきしていた。
「せやけど、ホンマ里香のアホ、どこ行ったんや…」
糸子が心配していると里香が帰ってくる。
「ただいま」
「黙っておらんようになったら心配するやろ!」
「…クリスマスケーキ」里香は手にしていた小さな箱を糸子に出した。
「まあ!…へえ!買うて来てくれたんけ(嬉)?」
「うん」
糸子は嬉しそうに箱の中身を確認するもケーキは一つしか入っていなかった。
「何や…アンタのは?」
「私はもう食べて来た」
「食べて来た?…どこで?」
しかし里香は糸子の質問に何も応えなかった。

― 糸子はケーキの蝋燭に火をつけると飾られている写真に話しかけた。
「里香がウチにクリスマスケーキ買うて来てくれてんで。有難いこっちゃでな」
糸子は、火を消すと両手をあわせた。
「…ほな呼ばれようか」
糸子がケーキを運んで食べようとすると、店の前にバイクの騒音が鳴り響いた。
そしてガラスの割れる音と共に女性の大声が聞こえた。
「東京帰れ!不細工!!」
糸子が止めるのも聞かずに里香は店の外に出て行く。
しかし里香が店を出るともう姿はなく糸子の店のガラスが割られていた。
「何や何や!こら、やられたのう!」
隣の不動産屋も駆けつけ、糸子の心配をした。

里香が家に戻ると糸子が落ちたケーキを拾い集め皿に盛っていた。
「…食べなくていいよ、そんなの」
里香の言う事を聞かずに糸子は、ケーキを食べた。
「…あんな里香、ここがアンタの観念どこやな…アンタが決め!」

「東京帰るか…それか、そのジャージ脱ぐか」
糸子は、更に一口ケーキを口に運んだ。


【NHK カーネーション第132回 感想・レビュー】

ドラマは、3本のラインで進行してます。
アホぼんの100反事件、清川親子のドレス作り、里香の青春。
この3つの話が毎日少しずつ進んでいるのですが、せめて清川親子のドレスつくりはあんまり必要性を感じないのは私だけ?
その分、里香の心境の変化に時間を回して欲しかった。
さて、ドラマ終盤では、神山正志君の嫉妬からハードな展開になりますが…なんか糸子らしからぬ反応のような気がしました。
個人的には熱しやすい糸子を見たい今日この頃です。
糸子が里香より早く店の表に出ていくと思ったんですがね。